産前産後のケア
姙娠・出産に伴い今まで経験したことのない自身の変化に戸惑い不安を感じたり対処法について疑問やお悩みが多いことと思います。鍼灸院やエステサロンではそれらに対して少しお役に立てることがありますので、ここで説明させていただきます。
<2027年には女性施術師による女性専用のエステサロンOPEN予定>
▼妊娠に伴う問題▼
・鼻やおでこ、頬のシミのような茶色い色素斑
妊娠出産に伴って女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の急激な変化によりメラニン色素が過剰に生成されシミ「妊娠性肝斑(かんぱん)」ができます。これは姙娠によって生体防御機構が低下して皮膚が乾燥や摩擦、紫外線から守る力を削がれたために起きやすくなります。通常1年ほどで消失しますが、あとに残らないように自分でも保湿や外出時に日傘をさすなど気を付けなくてはいけません。鍼灸・マッサージは免疫力を強化し消失を早める効果があります。
・お臍から恥骨への黒っぽい線状の色素斑
「正中線(せいちゅうせん)」と呼ばれるこれも女性ホルモンの急激な増加によって起こる現象で出産後ホルモンバランスの崩れが整うと同時に徐々に薄くなり消失します。ですが早く消したい場合は鍼灸・マッサージは有効です。
・妊娠線(主に腹部に生じるひび割れのような線)
お腹(お尻や太ももや胸や二の腕なども)の急激な膨膨で真皮が裂けて肉離れがおきます。一旦できてしまうと完全に消すのは難しいので妊娠初期のころからクリームやオイルで保湿したり血行を促進したりと皮膚を柔らかくするマッサージなどでケアすることが重要です。鍼灸は肌の新陳代謝を促進し古い皮膚から新しい皮膚に生まれ変わるターンオーバーを促進する働きがあります。
ちなみに昔は小さく生んで大きく育てることが良いとされていましたが、新生児の出生時平均体重は男児が約3kg、女児が約2.9kgです。生後一旦体重は1割程度減少し1週間程度で出生時体重に戻ります。そして毎日25~30gずつ増えていきます。
・ニキビ(尋常性ざ瘡)
ホルモンバランスが崩れ特にプロゲステロンがにより皮脂の分泌が活発になるとニキビが出来やすくなります。東洋医学では原因は異なりますが顔にできる「メンチョウ」治療でよく手足と肩のツボが使われ効果を発揮します。
・クモの巣状静脈
これもプロゲステロンの血管拡張作用によって起きやすくなり出産後自然に回復しますが、残ってしまう場合もあります。鍼灸・マッサージは足のむくみ取りや血行促進の効果があるので改善を図れます。
・下肢静脈瘤(足の静脈が拡張してできるコブ)
妊娠中は血流量が増えるのと女性ホルモンの分泌量の増加で血管壁が弛緩し静脈が拡張し静脈瘤が下肢に出来やすくなります。同時にこむら返りやむくみ、だるさなども起きたりしますので寝ている時に足の下にクッションを置き高くするとか弾性ストッキングを着用したり足を揉んだりするといいでしょう。出産後3~4か月で戻ることも多いですが残ってしまった場合は鍼灸・マッサージなどは有効な手段になります。
・乳房や乳頭の黒ずみ(色素斑)と垂れ

ホルモンバランスの変化によってメラノサイトが活性化する現象で授乳が終わるころに消えてきますのでご安心ください。ですが授乳中のバストケアは大事です。母乳の出を良くしたり、擦れによる皮膚の荒れを防いだり、大きくなった胸によって引き伸ばされた筋肉を元に戻して垂れを防止しバストアップしたりできます。特に胸の垂れ防止(バストアップ)には乳首より上の大胸筋にあるツボ刺激が有効です。胸にはたくさんのツボがありますので自分でマッサージすることでも改善を図ることが出来ます。
・爪や髪の変化
ホルモンバランスの崩れから体毛が濃くなったり薄くなったり爪にスジが入ったり割れやすくなったりすることがあります。皮膚に異常が出ることが多く全身に痒みがでることもあります。常に保湿を心がけクリームやオイルを塗ってマッサージを心がけたり鍼灸・マッサージも有効です。
・マタニティーブルー
急に泣きたくなったり、イライラしたり、ゆうつになったり子育てを放棄したくなったりすることもあります。これらはホルモンの影響でよく起こる現象で誰にでも起こり得ることで3割から5割の方に見られます。大概は数週間で治りますが、それをきっかけにうつ症状が悪化し自殺願望が出てくることもありますので長引くようなら心療内科の受診を検討してみる必要もあります。
鍼灸・マッサージは身体を癒し心を落ち着かせる効果が期待できるので是非お試しください。
▼産後の痛みの主な原因と期間▼
・後陣痛 (下腹部痛)
産後は大きくなった子宮が元に戻ろうとする(妊娠前の大きさに戻るのに約4週間かかります)ため収縮による痛みがおきます。数日間続き授乳時に増強することが多く徐々に痛みは薄れていきます。人によっては生理痛のような強い痛みを感じますので少しでも軽くする方法として下腹を温灸で温めたりマッサージしたり腰から仙骨にかけて鍼をしたりすると効果的です。

・会陰切開の痛み
赤ちゃんが産道を通って外へ出る際に狭い会陰部を通りやすくするため会陰から肛門に向けて斜めに切開する方法で自然に切れる裂傷も含めて9割の方が経験します。
傷は通常産後数日から1週間痛み1ヶ月検診の頃には治まります。ですが、会陰が切れるとか切開すると聞いて怖くなる方も多いでしょう。できればそうしないで済む方法は無いか?不安な気持ちでいろいろ検索したりするでしょう。そして「出産前の会陰マッサージ」などが出てくるかと思いますが、会陰部及びその周囲の骨盤底筋の血行を良くし柔らかく(ストレッチ)しておくことは大事です。
出産後の骨盤底筋機能低下による尿失禁、便失禁、骨盤臓器脱などの防止にも役立ちますので骨盤底筋群の起始停止部をパートナーにマッサージしてもらったり自分で骨盤に筋肉が着いている辺りを指圧するのも効果的です。
・帝王切開の傷
傷による痛みは数日で治まりますが、後陣痛の痛みが重なって数週間不調が続く場合もあります。
また精神的な不安や苦痛から生じる心の痛みが加わる場合もあるでしょう。心やすらかに回復を待つことが大事かと思います。身も心もリラックスする効果が鍼灸・マッサージにはあります。

・骨盤のゆがみ
出産で開いた骨盤は出産後には数か月から半年かけて徐々に小さく閉じてきますが、仙腸関節周囲の伸ばされた靭帯や筋肉を早く回復させる必要があります。大概は自然に元に戻りますが、なかなか戻りずらい場合もあり放置すると増えた体重が戻らなかったり左右の下肢におよぶ不均一な歪みを生じ関節痛や腰痛などを引き起こすこともあります。また仙腸関節周囲は膀胱や子宮、腸や肛門に通じる神経が多く存在します。尿漏れや頻尿、脱肛などを誘発することもあるかもしれません。
鍼灸・マッサージで筋肉の疲れや歪みを取ることでこういった問題を予防することが出来ます。
