得意とするもの
外側大腿皮神経と腓骨神経麻痺の鍼灸治療
通常キツい下着やコルセットによる締め付けが原因と言われていますが、中世の貴婦人のドレスじゃあるまいし苦しいのであまり原因としては考えられません。むしろクライミングや工事現場の作業、または最近流行の天井から吊るした布で行うパフォーマンス「エアリアル」によるものでしょう。
しかし、これも実は緊縛事故で度々発生します。橈骨神経麻痺に続いて多いのが「外側大腿皮神経麻痺」です。電話での問い合わせがあったので追加しておきます。
鼠径部、つまり骨盤の上前腸骨棘の部位で鼠経靭帯の下を通り下肢大腿部へ行っている感覚神経である外側大腿皮神経の絞扼性神経障害が起こると太ももにシビレや冷感、痛みなどの違和感を感じるようになります。これは外側大腿皮神経麻痺です。
この鼠径部は緊縛では「股縄」と呼ばれる縛り方をする部分になります。ちょうど工事現場で使われる安全帯もしくは登山で用いるクライミングハーネスのようなものだと想像してください。地上で縛る分には何ら問題は起きないでしょうが吊るとなると過大な力がかかるので絞扼性神経障害が起きやすくなります。
体重を分散するように何点もで吊るすようにし、かつ縄の本数を増やしたり網の目のようにして骨盤だけでなく全体で体重を受け止めるようにする必要があります。
診断法は傷害部を叩くと支配領域に疼痛が放散する現象であるチネル(Tinel)サインを確認することなどで、治療法は「橈骨神経麻痺の鍼灸治療」と同じようなものですが、病院ではビタミン剤などの投薬や神経ブロック療法、重症な場合は神経剝離術などの手術によって神経の圧迫を解除するやり方です。
軽度な障害で自分で出来る方法は、鼠径部にオイルを付けてマッサージしたりホッカイロで温めたりして血行を良くすることで回復を早めることが可能です。