古くから行ってきた逆子治療に加え、最近は不妊から出産後の体調回復、産後うつまで幅広く対応します。また、漢方薬などを組み合わせることによって体質を改善する事が可能です。(公社)全日本鍼灸学会の研究などを基に漢方の理論と組み合わせ、当院独自の方法で行っています。個々の状態によってアプローチが違うので皆さんに同じような施術をするわけではないのですが。
一般的な気持ちいいだけの鍼灸や整体・マッサージとは違って基礎体温を調え、子宮の血流量を増やし子宮内膜を厚くし、着床率をあげて流産をおこしにくい体質に変えることを目的とした効果重視の方法です。子宮に通じる神経を刺激する際に「響き」という神経に伝わる独特の重怠さのようなものを感じるかもしれません。もし、これが強い(不快)と感じる場合は、その方に合わせてソフトな刺激に変えますので遠慮なく仰ってください。
資料:全日本鍼灸学会雑誌 >>J-STAGE
また、病院では特に体外受精の段階まで行くと心や身体にかなりの負担を強いることになります。それがストレスになって悪い影響を及ぼすこともあるので、心身両面からアプローチします。
不妊鍼灸問診表
診療にあたって前もって知っておきたいことを表にした専用の問診表を作りました。
クリックするとPDFファイルが出てきます。>>質問表
※内容が多岐にわたりますので、これらはお出でいただいてから記載します。ですので初見時は時間に余裕をもってお出で下さい。
他にもお出でいただいてから舌や脈、お腹の状態を触診によって確認し、専用のカルテに記録し漢方的な分析を行います。
施術によって変化する体質の状態などの記録分析するためです。
実は、これらの行為(漢方的な分析)は、通常薬局等で行うことは不可能とされてきました。最近では体温測定、血圧測定、坐薬挿入、湿布貼付、軟膏塗布といった行為は原則医行為ではないと規定されるようになったようですが、まだまだ法的にグレーゾーンなので躊躇している薬剤師が多いようで、ほとんど行われていないのが現状です。しかし、漢方薬を出すにあたって、これらの触診による診断は絶対必要であり漢方の「証」をたてる上で重要で欠くべからざる項目と言えるでしょう。現在この漢方的触診による診断が可能なのは病院と当院のように薬店を併設した鍼灸院のみとなります。
子宝温灸(不妊の灸)
何年も試行錯誤を重ね、やっとこのような形に行き着きました!素焼きした陶器製です。これを作るために院長は陶芸工房を作ってしまったほどです。趣味のサイト >>陶房「鼎」
温灸用もぐさを直径1cm程度(梅干しくらい?)に丸めて火を点けて放り込みます。皮膚にあてると器全体が温まり、心地よい熱が伝わります。熱すぎたら少しずらし、冷めてきたら次のもぐさに火を点け続けて投入し、毎日10分から30分ほど下腹部(丹田)や腰を温めてください。続けていると基礎体温などが変化してきたりします。
施灸が終わったら、火が消え容器が十分冷えたのを確認してから中の燃えカスを捨ててください。なお素焼きの目地に燃焼した際に出るもぐさオイル(薬功あり)が染み込んでいますのでカビたりしない限りは容器は洗わないでも大丈夫です。また、お腹を温める以外にも冷え・ストレス・生理痛・頭痛・肩こり・腰痛や疲労などにも使えます。
伊吹山のふもとでもぐさを作り続けて110年老舗の業務用もぐさ専門メーカー「山正」の良質の国内産「伊吹もぐさ」を約10回分お付けして来院された方には750円でお分けしています。
具体的なツボの場所を知りたいときは成田市不動ヶ岡「酒井はり灸院」にお出で下さい。購入された方には無料で取穴いたします。なお、この温灸器は主に背中やお腹を温めることを想定して作っています。真横にしてももぐさがこぼれないようには作ってありますので、他の場所でも問題はありません。ですが、場所やケースによっては使いずらい場合もあるでしょう。そのようなことがあれば、ご相談ください。1つ1つ手作りですので、形や大きさなど様々なニーズに合わせてご要望に応じます。モグサだけでなく同時にハーブを少し入れて香りを楽しんでらっしゃる方もいます。
※郵送をご希望の場合は ミンネ(https://minne.com/items/11690774)から注文が可能です。梱包代が入りますので少し高めです。ごめんなさい。
直接当院にお出でいただければ実費代750円でお分けしております。
千葉鍼灸学会で全国より講師をお招きして勉強会を随時開催
<<一部紹介>>
平成22年1月 『生殖医療時代と鍼灸治療』 小井土善彦先生(森ノ宮医療大学非常勤講師/せりえ鍼灸室院長) 「インターネットで調べたら、不妊症に効くツボがあると書いてありました。そちらでは、そのような施術をしていますか?」そんな問い合わせが寄せられます。「不妊」だけで733,000件、「鍼灸」を加えて検索すると187,000件、ウェブ上では様々な情報が飛び交っています。 日本における不妊治療の現状から患者心理を把握することの重要性、更には難治性不妊の陥っている負のスパイラル。不妊治療は鍼灸だけでは成功しない。心理的アプローチを含めたチーム医療体制の確立が必要である。安易に鍼灸の過大な効果や自然妊娠の期待を持たせてはいけないといった警告も踏まえた上で鍼灸による治療法等についてのお話をしていただいた。 |
平成22年1月 『骨盤位に対する鍼灸治療の取り組み?とやまプロトコールについて?』 菅野俊輔先生(亀田総合病院東洋医学診療科/亀田鍼灸院院長) 骨盤位はその多くが帝王切開となり、生涯自然分娩を経験できないことになりかねない。そのため安全な矯正法の確立が待たれているが、現行の方法も十分とは言い難い。 菅野先生に始めてお会いしたのは富山の学会でだった。そこでとやまプロトコールのことを知り、経穴方法の着眼点の面白さとすばらしさに感銘を受けた。また、子宮に直接影響を与えるこの方法は不妊治療にも十分応用できることで、合わせて病院での運用についてお話を伺いたくてお呼びした。なおその後「亀田メディカルセンター不妊生殖科(ARTセンター)」へ不妊治療は移り、当院への紹介もあり、ここでの取り組みについても興味のあるところである。 |
平成22年5月 『不妊治療の臨床とWebや講演会等による普及活動について』 酒井茂一先生 (千葉鍼灸学会会長) 「子宝(不妊)鍼灸とは?」を実際の臨床を通じてどのように取り組んでいるかをご紹介し、併せて、子宝(不妊)鍼灸を広めるための普及活動の取り組みについてもご紹介します。 以下、成田市が毎年開催している「健康・福祉まつり」において私が講演した内容です。 |
平成22年9月 『女性治療におけるQOL評価の重要性?PMSを中心に?』 志茂田 典子(東京福祉大学非常勤講師・AR乃木坂鍼療室院長) 女性のQOLに影響を与えるもののひとつに月経随伴症状がある。様々な生理的指標の中でも、月経随伴症状は、定量化しにくいもののひとつである。さらに、その困難度は、日常生活やその時々の心理状態によって影響を受けやすい。 同姓でなくては理解が十分ではないことも多いと思うが、婦人科疾患の研究に共に携わっていただきたくて都内開業にも関わらず千葉の鍼灸学会に副会長兼学術部長としてお呼びした。当会は先生でもっているようなもの。そして、現在はパーキンソンや認知症など脳由来の病気にも中心的存在として関わっていただいている。 |
『鍼灸によるストレス緩和効果:光脳機能イメージングを用いた研究』 酒谷薫先生(日本大学医学部脳神経外科学系・光量子脳工学分野教授) 我々は、光脳機能イメージング法を用いて、ストレスの神経生理学的メカニズム及びアロマテラピーや鍼灸によるストレス緩和作用について研究している。 子宮は脳に支配されており、妊娠には脳の特にストレスの関与が大きく無視できない。そこでメンタルストレスとリラクゼーションの神経生理学的研究で有名な酒谷教授をお呼びしてお話を伺った。我々は以前、千葉大の下山教授のお力をいただき脳波やf-MRIで鍼が脳に与える影響を長期にわたって研究したことがある。非常に興味のあるテーマだ。 |