花粉症

花粉症の鍼灸

花粉症のつぼ基本的には花粉症をおこす体質を改善する全身治療を行ないます。つまり身体にある関連する経穴や経絡に適当な刺激を加え、起こりにくい身体にすることを目的とします。花粉症とは?「鼻でおきた喘息」のような解釈で、慢性的な鼻粘膜周辺の継続的な炎症という見方を私はしておりますので、ここの炎症を鎮めることができれば、粘膜の過敏性もとれQOL(生活の質)が改善されるということを多くの症例から確認しております。

左の写真は鼻の両脇の迎香と印堂というツボに鍼をしているものです。こういった治療に加えて頭の中のツボに小さな灸1つ。これで症状がだいぶ軽減されるか消失します。その方のご希望や体質に合わせて治療法は変わりますが、花粉症の季節のはじまる少し前から通常の鍼灸施術で体調を整えておくと、あまり重い症状が出ないでその季節をやり過ごすことが出来ます。

東洋医学的な考え方

鼻閉、鼻汁は感冒や急慢性鼻炎・急慢性副鼻腔炎などによくみられ、一般的には外感性のものと内傷性のものに分類されている。鍼灸では鼻閉、生臭い鼻汁、鼻覚減退を主証とする病証を鼻淵と称しており『内経』には「脳滲(ノウシン)」「膿漏(ノウロウ)」の記載がある。

●原因となる習慣など
 1.辛いもの・甘いもの・油っこいものなどの偏食
 2.過飲酒の習慣
 3.情志失調
 4.飲食不節
 5.過労
 6.思慮過度

●症状別対処方
〔タイプ1〕
 主要症状:鼻汁は粘り白く量多、鼻汁の臭いはない、鼻覚減退、鼻閉は時に軽く時に重い
 舌脈所見:舌質淡、舌苔薄白、脈緩弱
 随伴症状:頭重感、めまい、自汗、悪風、息切れ、話すのがおっくう、声に力がない、咳嗽
 ツボ:上星、迎香、肺兪、太淵、太谿

〔タイプ2〕
 主要症状:鼻汁は黄色で濁っており粘い、量が多い、臭いがする、鼻閉、鼻覚減退
 舌脈所見:舌質紅、舌苔黄、脈弦数
 随伴症状:頭痛または片頭痛、咽頭部の乾き、めまい、耳鳴り、難聴
 ツボ:太衝、風池、陽陵泉、上星、迎香

花粉症のツボ

自分で出来るつぼ押し花粉症の顏のツボ

  1. おでこの皮膚をそっと頭の方へ押し上げる(息を吸ってみると吸いやすいはず)これを10~15秒位普通に呼吸しながら続ける。同様に目の下の頬の皮膚にも行なう(範囲は耳の方まで)。さらに鼻筋上の額の中央髪の生え際(上星)を強めに指圧します。また、晴明から迎香まで(両目の間から小鼻まで鼻の脇を鼻をつまむように)を温かくなる程度に両方のひとさし指でなでさする。
    粒鍼といって透明の5?直径程度の丸いテープで1.2mm位の小さい金属粒を貼る治療があります。これは自分で買ってきて行っても効果的です。めがねの鼻あてで隠れるので、花粉症のシーズンには粒鍼+花粉よけメガネで少し症状が軽くなるでしょう。
  2. 手のツボは曲池や合谷、など主に肘関節?手首関節、および合谷までをマッサージする。
     手のツボを揉むと鼻がすっきりしてきます。また、首肩こりがあると花粉症の症状が重くなりますので、これをとる目的でも効果的。
  3. 【足】三里をさする。
     東洋医学では五行の理論で治療をしますが、母と子の関係で肺(金)を補う目的で土の働きに関係する足三里を使います。
  4. 身体を温める目的で、湧泉とか三陰交を刺激する。
     身体が冷えていると花粉症になりやすかったり症状が悪化します。ですから身体の血行を良くする意味でこのツボを使います。また、湧泉と上星または百会をセットで使うと気が通る(足から上昇して百会に抜ける)のでよく効きます。
  • Q. いつ頃から花粉症治療を?

    毎年花粉症でお世話になっています。いつもは花粉が飛び始めるころにお邪魔して、数回例の皮内鍼をやっていただいて、お陰様でそれほど苦しくなくシーズンを過ごせています。が、今年は仕事の関係で人と会う機会が多いので何とかできれば症状がほとんど出ない状態で過ごしたいのです。>ちょっと希望が高すぎるかな?以前、早めに治療(全身)を開始すればもっと押さえ込むことが出きるかもしれないって先生が仰っていたのを思い出したので。そんなこと可能でしょうか?
     
  • A.
    冷えが強い方は早めに開始しすると花粉症の症状を軽くすることができます。そして、これを始める時期は体質改善ですから早ければ早い方がいいのですが、特に冷えと消化器疾患との関わりが深いので、この辺を中心にやります。冷え以外にも肌荒れや便秘なども改善します。
    何でもそうですが根っこ(体質)があって出てくるので、その根の治療をしないと葉っぱが活き々としてこないってことです。でも、対症療法って言うんですが鼻の周辺のツボだけ使って血行を良くして粘膜の炎症を一時的に抑えるだけでも症状は軽くなるので、忙しい方は時期的な病気ならこれでもいいかということでやっているわけです。

 

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